シナリオライターのFiction Diary 2 | 松慎一郎

脚本家・ライター:松慎一郎のBlog。 『誤字脱字・破綻上等&気が向いた時に書き飛ばし』でGo。


『グリーンブック』
、俺的には微妙でした。

おみくじで末吉引いたみたいな感じです。

良いところは挙げればきりがないほどいっぱいあるし、技術的にも凄いと思うんだけどね。(いや、撮影・編集も海外ドラマ11/23/63の方が上か)

小物で言えば石と拳銃、そしてカネの関係。最初の手紙と最後の手紙。

あとはブリキの太鼓、勇気について、そして椅子と座席の対比。

これらはなるほどなーという感じ。

だけど、それだけだね。

あるのはギミックだけだ。
 

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写真に星条旗がありますが、転居先は日本です。

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ジェームズ・コットンとチャック・ベリーが亡くなったと知った時、数日前に、TSUTAYAで今、コンペ中の企画の資料としてレンタルするDVD棚を漁りながら、

「デヴィッド・リンチが亡くなったら、この先、映画は何を観たら良いんだろう?」

と怖くなった事を思い出した。続きを読む
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主人公、熊、主人公を追うネイティブ・アメリカン。
三者ともに行動原理の背景にあるのは家族。
同一の主題がフーガのように紡がれてゆく。
主人公が冒頭で熊に襲撃されるのは、それを観客に示すため。
「復讐は無意味なのか?」という問い、復讐の是非を中盤に登場するキャラクターが、
「復讐は創造主の手に委ねる」
と主人公に話す。
生活の全てを復讐に捧げることの無意味が、その理由だ。
「創造主の手に委ねる」は、具体的に物語終盤に提示される。

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人生の一番キツい時期を共にした人と結婚しなさい、という記述を読んだ。
だが、キツい時期というのは大抵、独りきりだ。
独りきりだからキツいのかもしれないが、きっと幸せとは誰かといる事ではない。
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ブレストって実際、どうなんすかね?

俺はあまり、生産的なブレストって経験した事ないですよ。

出席者それぞれが何を考えているのか、を知るのには役には立つけど、それにほとんどの時間を取られるようなMTGには出たくない。

例えば、ストーリーアイディアを固めるMTGで、思いつきで「海を撮りたい」とか、「路面電車で何かあったら面白い画が撮れる」とか、その手の提案がパラパラと出てくる事がある。

俺はそれら提案をアイディアとは認めない。

ストーリーにおいて、アイディアとは、「対立軸の発見」だ。

その対立軸の建て方が斬新であれば文字通り、物語は新機軸となる。

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ボブ・マーリーの”Redemption Song”という有名な曲があって、俺は高校生の頃にこの曲を知って、当時から「どうしてこれが贖罪なんだろう」と気になったんだけど、なんとなく放置してきたわけです。

歌詞読んでも全然、わからなかったしね。


「俺の歌はすべて自由・解放の歌だ」と彼は言う。

ネットや書籍に掲載されている彼のインタビュー等を読んでいると、彼の目指す自由・解放とはつまり、「魂の自由」だという事がわかる。

そして「差別や抑圧といった外部やシステムによる束縛は、『本当の自由・解放』を得る為の必要条件か、必要な過程に過ぎない」という事を数年前、"Redemption Songs"の歌詞を読み直して、知ったのです。


「そもそも魂の自由って一体なに?」という事なのですが、基本的には恨みつらみや怒りといったネガティブな心の状態と無縁でいる事、なのだと思う。

やっかいな奴とは関わらないという意味ではない。

乱暴に言ってしまえば、そういう感情に囚われるようなアクシデントに遭っても『折れない』という事なんだと思う。

『折れない』と言うと根性論みたいになってしまうんだけど、そうではなくて「許す」という事です。

確かに腹痛のように恨みつらみを抱えて生きている時、もしくは怒りに駆られている時、人は自由ではない。

だから少なくともその手のネガティブな感情は許す事で人は自由になれる。

だけど、許すとは本来、「絶対に許し得ない相手を許す」という事であり、許しはそれ自体が矛盾している。

偽善者のそれと違ってボブのようにゲットーから立ち上がってきた人間であれば、なおさらの事だと思う。

『許し難い人間を許す』

その矛盾を克服するのは、容易ではない。

だからこそ、許しは尊い。

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